時事ネタシリーズ

2020.12.23 コラム

2020年11月15日、日本や中国、韓国など東アジアを中心に15か国が参加するRCEP=地域的な包括的経済連携
が首脳会議で合意し署名式が行われましたとの報道がありました。
世界の人口とGDPのおよそ3割を占める世界最大規模の自由貿易圏が生まれることになったようですが・・・
RCEPってそもそもなんなのでしょうか?
聞きなれない単語であったため、気になったので少し調べてみました。

<RCEPって何??>
RCEPはRegional Comprehensive Economic Partnershipの略です。
今回の合意で、日本語の正式な名称も「地域的な包括的経済連携」となりました。内容は日本や中国、韓国、ASEAN=東南アジア諸国連合の10か国にオーストラリアとニュージーランドを加えた15か国が自由な貿易を進めていこうというものです。
RCEPの交渉は、2012年にインドを含めた16か国で始まりました(最終的にインドは署名を見送ってしまいました)
RCEPで合意した内容としては、農林水産品や工業製品にかけられていた関税の撤廃や引き下げ、それに輸出入の手続きの簡素化やサービスや投資のルールなど20の分野について合意しました。 最も注目されたのが関税の撤廃や引き下げです。 参加国全体での関税の撤廃率は品目数で見ると、91%となりました。 99%以上のTPPと比べるとやや低い水準となっていますが、多くの品目で関税が撤廃、または引き下げられることになります。

<メリット・デメリットは?>
メリットとしては、日本から輸出する工業製品については、91.5%の品目について関税が撤廃されます。
特にメリットが大きいと見られるのが自動車分野です。 今後、成長が期待される電気自動車用のモーターやリチウムイオン電池の素材などの関税が今後撤廃されることになります。 このほか、鉄鋼製品や、電子レンジや冷蔵庫といった家電製品なども対象になります。
一方、農林水産品などでは、輸出量が多い中国向けのほたて貝やインドネシアへの牛肉、中国や韓国向けの日本酒や焼酎などの関税も段階的に撤廃されます。
デメリットとしては
メリットとは逆に、日本が輸入するものに対しても同様に関税が段階的に撤廃されていくということです。
日本にとっての「重要5項目」であるコメや牛肉・豚肉、乳製品などは、今回は、関税の削減や撤廃の対象から外れましたが、
今後の状況によっては変わっていくのかもしれません。
( インドは、中国から大量の安い製品が流入して国内産業が大きなダメージを受けることを懸念して、今回は署名を見送りました。)

以上、ものすごく簡単にRCEPについてまとめてみました。

今後どうなっていくのか、まだまだわからないことが多いですが、
新型コロナウイルスの流行で経済低迷が続く中、アジアに巨大な自由貿易圏が誕生し、
アジア経済圏が発展していくようなことになっていけば素晴らしいなと思いました。