豆知識シリーズ(犬と雪)
2021.2.1 コラム
この冬は東北や北陸で記録的な大雪となり、車の立ち往生など大変な事態となりました。
話は変わって、そんな雪ですが、雪の中を嬉しそうに遊ぶ犬を見たことありませんか。童謡の「雪やこんこん(中省略)犬は喜び庭駆け回り(以下省略)」にもあるように、確かにそんなイメージありますよね。
犬はなぜこんなにも雪が好きなのでしょうか?今回は犬の雪好きの理由を調べてみました。
断言できる理由はわかっていませんが、多くの動物学者は犬が雪を見てはしゃぐ原因のひとつに、犬が変化を好む性質であるということをあげています。犬にとって普段見慣れない冷たくて異質な雪は、景色や地形、匂いなど、犬の体に感じるさまざまな感覚を変化させるのです。自分が見知った世界とは違う環境に犬はとても敏感に反応しているのではないか、といわれています。
他にも北国に生息していたオオカミを祖先としている犬は、冬を迎える前に脂肪を蓄え、寒くなると動いて体温を上げるという遺伝子上の習性もあるようです。動くことで筋肉をほぐし、体温の低下を防ぐと同時に体の免疫力を高めるという役割を果たしています。犬が雪を見るとはしゃいでしまうのは、こうした理由も考えられます。
犬は通常オーバーコートとアンダーコートの二重構造の被毛を有しており、密なアンダーコートによって熱を蓄えることができるので、体温調節が得意です。特に被毛が豊富であり、体脂肪も多い北方を起源としている犬は、雪や厳しい寒さにも耐えることができるのです。また、小型犬より大型犬の方が耐寒性があり、日本原産の柴犬や秋田犬なども日本の冬の寒さには順応している犬種であり、雪好きであることが多いのです。
道路が雪で凍っていても大丈夫です。犬の足にはちゃんと凍えないシステムが備わっているのです。
犬の肉球は、『動静脈吻合』(どうじょうみゃくふんごう)という、毛細血管を間に挟まずに、動脈と静脈が直接つながっている構造を持っています。これにより、肉球が冷たくなると自律神経が働いて動静脈吻合が拡張し、血流量が増加して凍傷を防ぎます。それと同時に静脈血の冷えすぎを防ぐことができます。
これは寒い地域で暮らすペンギンのくちばしやイルカのひれなど他の多くの動物にも見られる仕組みだそうです。このことから犬の祖先は寒い地域に棲んでいたのではないかという説もあります。
北方の犬の代表「北海道犬」と、南方の犬の代表「チワワ」の肉球を比べてみると、確かに北海道犬の方が冷たさに耐えられそうな厚みのあるたくましい肉球をしています。
愛犬がいる方は、雪が積もったら一緒に遊んでみてはどうでしょうか。
人間の方が寒さに耐えかねて、猫の様にこたつで丸くなるでしょうね(笑)。
画像①:犬の肉球の内部構造
画像②:北海道犬とチワワの肉球の比較
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