お盆

2021.7.20 コラム

もうすぐお盆を迎えます。
お盆の時期になると、果物やお菓子など色々とお供えをします。また、「なす」と「きゅうり」で馬と牛を作る慣習が日本にはあります。なすやきゅうりを牛や馬に見立てるために、割り箸などを刺して作ります。
そして、作られた馬と牛は、一般的にお盆に準備する精霊棚(盆棚)にお供えします。皆さんのお家でもその風習がある、または見た事があるという方もいらっしゃると思います。

なすやきゅうりを飾る意味は?
お盆の時期、故人やご先祖様の霊が家に戻ってくる際、行き来する乗り物として作られたとされています。
「霊が戻って来られる時にはきゅうりの馬に乗って一刻も早く家に帰って来てもらい、少しでも長くこの世にいてもらいたい、帰る時にはなすの牛に乗って景色を楽しみながらゆっくりと帰ってもらいたい」という願いが込められています。
言い換えると、きゅうりは足の速い馬を、なすは歩きの遅い牛をイメージして作ります。一般的に、きゅうりで作った馬のことを「精霊馬(しょうりょううま)」、なすで作った牛のことを「精霊牛(しょうりょううし)」と呼びます。
精霊牛と精霊馬を置く意味は地域によって異なりますが、ある地域はゆっくりと故人やご先祖様をお迎えするために「精霊牛」を、帰りは迷わずに帰ってもらうために「精霊馬」を置き、またある地域は故人やご先祖様の霊は行き帰りどちらもきゅうりの馬に乗り、なすの牛には供養するためのお供え物などの荷物を載せて帰るとしています。

どうして、なすときゅうりなの?
夏野菜としてお盆の時期に多く収穫され、入手するのが簡単だったためと考えられています。
旬のお野菜ということで、お供え物として適していると考えられていたようです。

また、盆踊りも霊をお迎えする行事だそうです。次のような説も語られています。「帰ってきた霊を供養し、無縁仏などを安らかに送り出すための舞」「帰ってきた霊を、自分たちの踊りに誘い込みながら送るための舞」「帰ってきた霊に楽しんでもらうための舞」「供養のおかげで成仏できた精霊たちの喜びを表す舞」などなど…。

どの様な形にせよ、故人やご先祖様の霊をお迎えし、ゆっくりと一緒に過ごす事が大切で供養になりますね。