豆知識シリーズ
2020.6.24 コラム
コロナウイルスによる緊急事態宣言が発動され、早2か月。
緊急事態宣言も解除され経済活動が再開し始めたこの6月に、本来ならば大きな話題となってもおかしくないこの法律が施行されたのを皆さんはご存知ですか?
2020年6月1日(大企業2020年6月1日・中小企業2022年4月1日)からいわゆるパワハラ防止法が施行されました。
・パワハラ防止法とは?
パワハラについて法律で規定し、その防止措置の義務を企業に課すものです。
企業側に相談窓口の設置や再発防止対策を求めるほか、行政の勧告従わなかったときには、企業名が公表されることになります。(施行開始からの「罰則規定」は見送られました)
・職場のパワーハラスメントとは?
職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為と定義してあります。
ポイントとして
1、 優越的な関係を背景とした言動
2、 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
3、 労働者の就業環境が害されるもの(精神的・身体的苦痛を与える言動)
上記1~3までの要素をすべて満たすものです。
(なお客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。)
また、企業が雇用する労働者が業務を遂行する場所。
当該労働者が通常就業している場所以外の場所であっても業務を遂行する場所を「職場」に含み、正規雇用労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員などを含む、企業が雇用する労働者の全員。
また、派遣労働者については、当該労働派遣を受け入れる企業においても、雇用する労働者と同様の措置が必要とされています。
・何がパワハラになる?
2020年1月、厚生労働省が「職場のパワーハラスメント防止のための指針」を公表しました。
パワハラの定義を6つに分類しより詳細に明記したほか、企業の講ずるべき措置やパワハラに「該当する例」や「該当しない例」などを示しています。
<6種類のパワハラ>
・身体的な攻撃・・・・暴行・傷害
・精神的な攻撃・・・・脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言
・人間関係からの切り離し・・・・隔離・仲間外し・無視
・過大な要求・・・・業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
・過小な要求・・・・業務上の合理性なく、能力や経験とはかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
・個の侵害・・・・私的なことに過度に立ち入ること
上記、6つの類型は限定列挙ではありませんので、これに該当しない場合でもパワハラだと認められるケースがある点
には注意が必要です。
パワハラにあたるか否かは平均的な労働者の感じ方を基準としつつ、労働者の属性や心身の状況、行為者との関係など
さまざまな角度から総合的に判断されるべきものとされています。
いかがでしたか? 簡単にですがパワハラ防止法をまとめてみました。
ちなみに、パワハラをした人は、民法の不法行為責任が問われるほか、刑事罰に処せられる可能性があるようなので、ご注意ください。
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