時事ネタシリーズ(今年の冬は寒くなる?)

2020.9.17 コラム

気象庁が10日発表したエルニーニョ監視速報によりますと、ラニーニャ現象が発生したとみられ、今後、冬にかけては、ラニーニャ現象が続く可能性が高い(70 %)としています。

ラニーニャ現象が発生している時は、太平洋赤道域の東風が平常時よりも強くなり、西部では吹き寄せられる暖かい海水の層がより厚くなり、インドネシア近海の海上では積乱雲がより盛んに発生します。一方、東部では冷たい水の湧き上がりが平常時より強くなります。そのため、太平洋赤道域の中部から東部では、平常時よりも海面水温が低くなります。ラニーニャ現象が発生すると、日本付近では、夏は気温が高くなる傾向があります。一方、冬は気温が低くなる傾向があります。

前回、ラニーニャ現象が発生したのが2017年秋から2018年春にかけてです。

この年の冬は全国的に寒い冬になりました。日本付近に強い寒気が流れ込むことが多かったため全国的に気温が低く、特に西日本は平年差が-1.2℃と-2.1℃を記録した1985/86年の冬以降の32年間で最も寒い冬でした。冬型の気圧配置がしばしば強まったため、日本海側の降雪量は多く、北陸などで記録的な大雪にも見舞われました。また、南岸低気圧の影響で、関東甲信や東北の太平洋側でも大雪となっています。

また、2010年/2011年の冬もラニーニャ現象が発生していましたが、この冬は冬型の気圧配置が長続きして気温の低い時期と、寒気の影響が弱く気温の高い時期との対照が、全国的に明瞭でした。

今のところ、10月までは平均気温は全国的に平年並みか高い予想です。多少の寒暖差はありますが、まだしばらくは残暑が続くでしょう。一方、11月になると、寒気の影響を受けやすくなる予想で、平均気温は北海道から九州にかけて平年並みになる予想です。晩秋になると、急に寒い日が増えてきそうです。